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MTG #003 -> #004 連結レポート

「集団活用マナビス運用」から「Rally 2 観戦記」へ。2つの報告書をそのままの情報量で一本化し、議論の連続性を追える没入型ビューに再構成しました。

前編: MTG結果 #003

行数: 283 / 文字数: 11,006 / 見出し数: 22

後編: MTG #004 Rally 2

行数: 425 / 文字数: 8,098 / 見出し数: 40

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Flow Line

前編で確立された運用施策が、後編でどのように批判・再設計・構造化されたかを、時間軸として連続読解できるように配置しています。

Step 1: MTG #003

生徒参加により施策の実装解像度を上げ、キックオフ/マナビスデー/段階拡張の3施策へ収束。

Step 2: Interlude

「集団の力」の利点とリスク、構造保証と個別対応の緊張関係を橋渡し。

Step 3: MTG #004 Rally 2

Devil's Advocateと現場知見を交え、批判に耐える運用プロトコルへ再構成。

Source A

ミーティング結果報告書 #003

原文: /Users/maedaayumu/ドキュメント/AIコーディング/マルチエージェント環境/MTG結果_003_集団活用マナビス運用.md

ミーティング結果報告書 #003

テーマ: 新高1内部進学組(15人以上)を集団の力でどう動かすか 日付: 2026-02-09 参加者: PM・行動科学・塾講師・生徒(新高1)(4名) 参照: 環境要件定義書 v1.6 / MTG結果 #001 / MTG結果 #002(ボスフィードバック含む)


この報告書で伝えたいこと

今回の会議には、初めて「生徒」がいた。

MTG #002のボスフィードバックで「生徒の目線が欠けている」と指摘された。だから今回は、中学部から上がったばかりの新高1——15歳の声を議論に入れた。結果、大人だけでは絶対にたどり着けなかった結論に到達した。「帰りの会」と名付けた施策を、生徒が「それ、ダサい。チェックアウトにして」と一言で変えた。90分のキックオフイベントを、「無理。45分。てか30分がいい」と削った。「仲良し同士にしない」バディ制を、「やめてほしい。最初は自分で選ばせて」とひっくり返した。大人が理論で組み立てたものを、生徒のリアルな感覚が磨き上げた。

テーマは「集団の力」だった。マナビスは映像授業だから、基本は1人でブースに座って1人で映像を見る。しかし中学部から上がってくる15人以上の内部進学組は、「みんなと一緒にやる」に慣れている子たちだ。この子たちが突然「全部1人でやれ」と言われたら、動けなくなる。映像授業の制約は変えられない。でも「一緒に計画を立てる」「一緒に振り返る」ならできる。その「一緒」の設計を、4人の専門家が3ラウンドかけて詰めた。

結論は3つの施策に収束した。4月キックオフ、週次ルーティン「マナビスデー」、そして段階的拡張ロードマップ。全員合意。リーダー裁定は不要だった。しかも全ての施策に対して、当事者である生徒が「やってみてもいい」と言っている。これは大きい。


議論で何が起きたか

11件の提案が出揃った——そして生徒が動かした

Round 1で、PM・行動科学・塾講師がそれぞれ3件、生徒が2件、合計11件の提案が出た。しかしこの会議の真価は提案の数ではない。生徒が各提案にリアルタイムで反応したことが全てを変えた。

PMは「月曜プランニング会、30分」を提案した。15人以上を一部屋に集めて、今週の学習計画を一緒に立てる。映像授業は個別だが、「何をやるか決める」プロセスだけ集団でやる。設計としては筋が通っている。

生徒はこう言った。「30分はちょっと長い。15分でよくない? 計画なんてそんなに考えること多くないし」。さらに「『今週一番伸ばしたい教科』とか書くの、最初はいいけど毎週同じこと書くことになりそう。『英語』って毎週書くだけになる」。

この「毎週同じこと書くだけになる」という指摘を、行動科学がすかさず拾った。「生徒の予測は正しい。自我タスクが形骸化する典型パターンだ。毎週『問い』を変えるべきだ」と。「今週一番避けたい教科は?」「先週一番手応えがあった瞬間は?」——問いを変えることで「考える」が維持される。大人が気づかなかった形骸化リスクを、生徒の直感が教えた。

「帰りの会」が「チェックアウト」に変わった瞬間

塾講師は自信を持って「帰りの会」を提案した。中学部の習慣を高校部に持ち込む。受講後に5分、みんなで集まる。「今日どうだった?」と聞くだけ。5分で終わる。

生徒の反応はこうだった。「帰りの会は中学のときもあったから、別に嫌じゃない。5分なら。でも高校生になってまで帰りの会やるの? ってちょっと思う。『まだ中学生扱い?』みたいな。呼び方変えた方がいいかも。『帰りの会』じゃなくて『チェックアウト』とか」

PMはこの提案に飛びついた。「『チェックアウト』はセンスがいい。英語のカタカナ語は『なんかカッコいい』で受け入れられやすい」。そして生徒がRound 2でダメ押しした。「『チェックアウト』なら友達に『今日チェックアウトあるから塾行くわ』って言っても恥ずかしくない」。

たかが名前。されど名前。大人が「帰りの会」と名付けていたら、高校生は「中学生扱いされてる」と感じて冷めていた可能性がある。名前1つで施策が生きるか死ぬか変わる。それを教えたのは生徒だった。

3つの提案が1つに溶けた——「マナビスデー」の誕生

Round 2で最も重要な展開が起きた。3人の大人がそれぞれ出した提案が、議論を通じて1つに統合されたのだ。

行動科学の「デフォルト共在」——火曜と木曜に全員が来ることをデフォルトにする。来ることに理由はいらない、来ないことにコストがかかる設計。理論的には正しい。しかし塾講師が真っ向から反論した。**「理由なしのデフォルトは2週間で崩壊する」**と。中学部では「授業がある」から来ていた。高校部には「授業」がない。映像はいつでも見れる。来る理由がなければ、デフォルトは機能しない。

ではどうするか。塾講師が答えを出した。「チェックアウトがある」を来る理由にする。「19:00にみんな集まるから、それまでに受講を終わらせる」。これが時間的なアンカーになる。

そしてPMが統合した。「デフォルト共在」が器で、「チェックアウト」が中身。月曜はプランニング会で週の計画を立てる。火曜・木曜はマナビスデーとして来て受講してチェックアウト。週3回の接点。

行動科学はこう評価した。「月曜プランニング会が『計画』、火木のチェックアウトが『実行と振り返り』。PDCAの週間サイクルが自然にできる」。

3つの別々の提案が、議論を通じて1つの有機的な仕組みに変わった。 これが集合知の力だ。1人では到達できない統合を、対話が可能にした。

「全員達成で全員にボーナス」を、生徒が止めた

行動科学は「損失回避型・集団チャレンジ」を提案していた。全員が月10コマ以上受講したら、全員にボーナスくじ3枚。1人でも欠けたら0枚。理論的には強力な行動駆動装置だ。

生徒の最初の反応は慎重だった。「全員で達成しないと0枚っていうのは、正直キツい。『〇〇のせいでもらえなかった』ってなるのが怖い。自分がその〇〇になるのも怖いし、友達がなったときに気まずい」。ハードルが低ければ、と条件付きで一旦は受け入れた。

しかしRound 2で他の議論を聞いた後、生徒は考えを深めて戻ってきた。「よく考えたら、達成できなかったときのことを考えると怖い。『みんなで達成しよう!』って盛り上がってたのに失敗したら空気最悪になる」

PMがこれを受けて言い切った。「生徒の反応が全てを物語っている。これは集団の力ではなく、集団の圧力だ。MTG #003のテーマは『集団の力で動かす』であって『集団の圧力で動かす』ではない」。

生徒は代替案まで出した。「やるなら『個人チャレンジだけど、達成した人の数で教室の何かが変わる』みたいな方がいい。自分が達成したかどうかは自分だけの話で、でも全体の達成率が上がるとみんなにいいことがある、みたいな」。15歳の言葉で、「個人の自律性」と「集団の恩恵」を両立する設計を語った。大人顔負けだ。

「集団」と「個人の内省」の矛盾——Round 3の核心

Round 3で、行動科学がこの会議で最も本質的な問いを投げた。MTG #002の核心は「個人の内省」だった。しかしMTG #003のテーマは「集団の力」。この2つは矛盾しうる。集団の中にいると「みんなと同じ」に流れやすく、「自分だけの気づき」が薄まる。

塾講師が現場の経験則で突破口を開いた。「『書く』内省と『話す』内省は全く別物だ。書くのが苦手でも、『今日どうだった?』に『まあまあ』と口で答えることはできる」。

行動科学がこれを構造化した。内省に3段階ある。口頭内省(チェックアウトで一言)→記述内省(カードに1行)→深い内省(振り返りシートに2〜3行)。集団の場では最低ハードルの口頭内省だけでいい。深い内省は個人の時間で行う。

そして生徒がとどめを刺した。「正直、『振り返り』とか『内省』って言葉がもう重い。『今日どうだった?』に『まあまあ』って答えるのは振り返りだと思ってない。でもそれでいいなら楽」

行動科学はこの発言を受けて言った。「『振り返りだと思ってない』。これが重要だ。意識せずにやっている振り返りが最も自然に定着する」。

全員がここで合意に至った。集団=入口と維持の機能。個人=深化の機能。 この役割分担が、「集団の力」と「個人の内省」の矛盾を解く答えだ。チェックアウトで「まあまあ」と言うだけで、生徒は自分の今日を一瞬振り返っている。それで十分な子もいる。もっと深めたい子は紙に書く。全員に同じ深さの内省を求めない。入口は全員同じ。そこから先は個人のペースで。


結論:やるべきこと

1. 4月キックオフ「マナビス新高1スタートDAY」

コンセプト: 入学の節目に「この15人以上は仲間だ」という集団アイデンティティを作る装置。1回限りのイベントだが、ここで生まれた「仲間意識」がその後の全施策の土台になる。

具体フロー(45分):

  1. 先輩インタビュー(5分): 講師が高2・高3の先輩に「高1の最初の1ヶ月で一番大変だったこと」「どう乗り越えたか」の2問だけ聞く。先輩に話させるのではなく、講師が質問する形式。脱線をコントロールできる
  2. 付箋ワーク(15分): 「高校で楽しみなこと」「この1ヶ月で頑張りたいこと」を付箋に書く。「3年後の自分」は却下した。生徒が「マジでいらない。わかんない」と言ったから。「部活」「文化祭」「修学旅行」でもいい。書けることを書く
  3. 模造紙に貼って全員で拍手(5分): 全員の付箋が並ぶ。全員で拍手する。行動科学が「これだけでいい。全員が目標を持った瞬間を共有する儀式。これが集団アイデンティティの出発点だ」と言った
  4. 第1週の学習計画づくり(15分): キックオフのエネルギーを「最初の1歩」に直結させる
  5. まとめ(5分)

自我タスクとの接続: 付箋に書く「楽しみなこと」は、MTG #002の振り返りシートの設計思想と同じ。低ハードルだが「考える」が入っている。7月の振り返りイベントで「4月に書いた付箋、どうなった?」をやることで、3ヶ月間の成長を自分で確認する仕組みが完成する。

運用イメージ: 講師2名+先輩1名。模造紙・付箋・マーカー。準備は半日。7月まで壁に掲示し、7月に振り返りイベントを実施。

2. 週次ルーティン「マナビスデー」

コンセプト: 「デフォルト共在」(行動科学)+「チェックアウト」(塾講師→生徒が命名)+「プランニング会」(PM)の3提案が議論を通じて統合された中核施策。「来る理由がないデフォルトは崩壊する」という塾講師の反論が、チェックアウトという「来る理由」を組み込む設計に至らしめた。

具体フロー:

  • 月曜=プランニング会(15分): 今週の学習計画を全員で立てる。問いは毎週変える(「今週一番避けたい教科は?」「先週一番手応えがあった瞬間は?」)。形骸化を防ぐ生命線
  • 火曜・木曜=マナビスデー: 17:00〜19:00に来て受講。19:00にチェックアウト(5分)。講師1名が「今日どうだった?」と1人ずつ聞く。「まあまあ」でいい。5分厳守。1秒でも伸びたらダメ
  • 火木はどちらか1日でもOK。部活理由の欠席は完全自由、連絡不要。「部活OK、連絡もいらない」は生徒の強い要望
  • 4月の最初の2週間だけ: 講師が全員に個別で「火曜来れる?」と声をかける。3週目からは自走

自我タスクとの接続: チェックアウトでの口頭内省がMTG #002の振り返りの「入口」。プランニング会のカード記入が「中段階」。週1回の振り返りシート(MTG #002で設計済み)が「深い内省」。3段階の内省構造で、入口は全員同じ、深さは個人のペースで。二層ポイント(行動+思考)との整合も保たれている。

運用イメージ: 講師1名がチェックアウトを回す。5分。週3回の接点で15人以上と講師の関係が自然にできる。月曜15分+火木各5分=週の講師投入時間は合計25分。

3. 段階的拡張ロードマップ(5月以降)

コンセプト: 「4月は2つまで」「最初から全部やると講師が死ぬ」——塾講師の現場判断と、「少なく始めて習慣化してから足す」——行動科学の原則が完全に一致した。生徒も「いきなり色々言われてもわかんない」と後押しした。1ヶ月に1つずつ新しい要素を追加する。

具体フロー:

  • 4月: キックオフ+マナビスデー。これだけ
  • 5月: プランニング・バディを追加。2〜3人組。最初は仲良し同士で組む。本人に「誰と組みたい?」を聞く。 先生が勝手に決めるのは絶対にダメだと生徒が明言した。月曜プランニング会の中でバディタイム5分
  • 6月: 振り返りカード共有ボードを追加。匿名で週のベストカードを掲示。「これ誰のだろう?」という好奇心。自分のカードが選ばれたときの密かな達成感。二層ポイントの思考ポイントとも連動
  • 7月: キックオフ振り返りイベント。4月の付箋を見返す。「3ヶ月前の自分、こんなこと書いてたんだ」
  • 集団チャレンジ: 形を大きく変えて7月以降に検討。「個人チャレンジの達成率で全体にメリットが出る」形式(生徒の修正案を採用)
  • LINEグループ: 塾の公式施策にしない。生徒が「先生は関わらなくていい。キックオフやったらその日のうちにLINEグループできると思う」と断言。自然発生に任せる

判断基準: 各月末に「この施策は定着したか?」を講師で判定。定着していなければ次の追加を1ヶ月延期。無理に進めない。


なぜこのフレームワークが優れているのか

1. 生徒が「やってみてもいい」と言っている。

これがMTG #001・#002にはなかった決定的な要素だ。大人が設計した仕組みを、当事者が受け入れている。しかも受け入れているだけではない。名前を変え、時間を削り、バディの組み方を変えた。生徒が手を入れた施策は、生徒のものになっている。

2. 「集団の力」と「個人の内省」の矛盾を解いている。

集団の場ではハードルを最低にする(チェックアウトで一言)。個人の時間で深い内省をやる。全員に同じ深さを求めない。入口は全員同じ、深さは個人のペース。この「集団=入口と維持、個人=深化」という役割分担は、MTG #002の振り返りシート設計思想を壊さずに、集団の力を上乗せしている。

3. 中学部からの連続性がある。

内部進学組にとって「みんなで集まる」は日常だった。高校部でそれがいきなりなくなることへの不安を、マナビスデーが吸収する。「帰りの会」の形を少し変えて「チェックアウト」にしただけ。新しいことを始めるのではなく、馴染みのある習慣を少し進化させるだけ。だから心理的抵抗が極めて低い。

4. 運用負荷が現実的だ。

4月の初動で講師がやることは「キックオフを1回開く」「月曜15分+火木各5分のルーティン」だけ。講師2〜5名で回る。週の投入時間は25分。塾講師が「これなら死なない」と言った設計だ。

5. MTG #002の成果と整合している。

振り返りシート(選択肢→理由)は「深い内省」のツールとしてそのまま使う。二層ポイント(行動+思考)の枠組みも変えない。チェックアウトの口頭内省は「思考ポイント」の入口になる。思考ランキング掲示板との並列も可能。既存の設計を壊さず、集団の力という新しいレイヤーを上に載せた形になっている。


現場で何が起きるかの想像図

Week 1(4月第1週)

キックオフ当日。15人以上が一部屋に集まる。中学部の卒業から1週間、まだみんな少しソワソワしている。高2の先輩が呼ばれていて、講師が「高1の最初、どうだった?」と聞く。先輩が「正直、1人で映像見るのキツかった。最初の2週間は全然集中できなかった」と言う。15人の中の何人かが「あ、自分だけじゃないんだ」と思う。付箋に「高校で楽しみなこと」を書く。「部活」「文化祭」「友達と遊ぶ」「英語できるようになりたい」。模造紙に貼って全員で拍手。ちょっと恥ずかしいけど、悪い気はしない。

その後、第1週の計画を立てる。「火曜と木曜、みんなで来て受講しよう。19:00にチェックアウトがあるから」。「チェックアウトって何?」「帰る前にちょっとだけ話す時間」。「ふーん、まあいいけど」。

キックオフが終わった夜、誰かがLINEグループを作る。「マナビス新高1」。スタンプが飛び交う。講師は知らない。それでいい。

Week 2

火曜の17時。「〇〇も行くし、行くか」で10人が来る。受講して、19時にチェックアウト。講師が「今日どうだった?」と聞く。「英語やった」「まあまあ」「ちょっと難しかった」。5分で終わる。「じゃあお疲れ」。帰り道に「あの先生の話面白かったよね」とか話す。木曜に残りの5人のうち3人が来る。部活組は来れない。でもそれでいい。

月曜のプランニング会。「今週、一番避けたい教科は?」という問い。「数学」「数学」「英語」「全部」。笑いが起きる。計画を書く。15分で終わる。

Month 2(5月)

マナビスデーが「普通」になる。「火曜だから塾行くか」。特に理由は考えない。みんな行くから行く。チェックアウトは5分の日常。「今日どうだった?」「まあまあ」のやり取りに慣れてきて、たまに「今日の数学、ここがわかんなかった」と具体的に言う子が出てくる。

5月からバディ制が始まる。「誰と組みたい?」と聞かれて、仲良しと組む。月曜のプランニング会でバディと5分話す。「今週何やる?」「英語2コマと数学1コマかな」「まじ?自分も英語やろうかな」。計画が具体化する。言葉にすると、やらなきゃいけない気持ちが少し強くなる。

Month 3(6月)

振り返りカード共有ボードが始まる。匿名で「今週のベストカード」が掲示される。「この授業で『あ、そういうことか!』ってなった」「苦手だった長文が少し読めるようになった気がする」。「これ誰のだろう?」。自分のカードが選ばれた子が、バディに「あれ、俺のかも」とこっそり言う。

バディのシャッフルが提案される。「他の子とも話してみない?」。4月には嫌がったかもしれないが、2ヶ月マナビスデーで顔を合わせていると、15人全員がもう「顔見知り以上」になっている。「まあいいよ」。

Month 4(7月)

キックオフ振り返りイベント。4月に貼った付箋の前に集まる。「うわ、俺こんなこと書いてた」「『英語できるようになりたい』って書いたけど、どうだろ…」「前よりは読めるようになったんじゃない?」。3ヶ月前の自分と今の自分を比べる。これがMTG #002で設計した「自我が大きくなる瞬間」の集団版だ。


予算

年間50万円の中で、今回の施策に必要な追加コストは極めて小さい。

  • キックオフ(1回): 模造紙・付箋・マーカー → 3,000円。先輩への謝礼(ボーナスくじ2枚) → 景品枠から充当
  • マナビスデー運用: 追加物品なし。講師の人件費は通常の勤務時間内
  • プランニング会の問いカード: 毎週印刷 → 年間5,000円
  • バディ制: 追加コストなし
  • 振り返りカード共有ボード: 掲示用コルクボード+カード用紙 → 5,000円
  • 7月振り返りイベント: 追加コストなし(4月の模造紙をそのまま使う)

Phase 0追加コスト合計: 約13,000円。 MTG #002のPhase 0(印刷代2万円)と合算しても3.3万円。年間50万円の予算枠に対して余裕がある。残りはPhase 1以降の拡張(集団チャレンジの報酬設計、掲示物のリニューアル等)と、MTG #002で計画されたPhase 1〜3の施策に充当する。


リスクと対策

「15人以上が同時に来るとブースが足りない」問題

PMが指摘した物理的制約。火曜・木曜に15人全員が17:00〜19:00に来たら、ブースが埋まる可能性がある。対策として前半組(17:00〜18:00受講→18:00チェックアウト)と後半組(18:00〜19:00受講→19:00チェックアウト)の2回制を準備しておく。ただし最初から分けるのではなく、実際にブースが足りなくなってから対応する。

「チェックアウトが5分を超える」問題

塾講師が「5分厳守。ダラダラ15分やると崩壊する」と断言した。生徒も「1秒でも伸びたらみんなダルくなる」と同意。対策はシンプルで、タイマーを鳴らす。講師にこの1点だけ徹底する。

「ゴールデンウィーク後の出席率低下」問題

行動科学が予測した。4月の勢いがGW明けに落ちる。対策として5月にバディ制を追加する。「バディがいるから行く」という新しい理由が、GW後の出席率を支える。

「先輩ゲストが変なことを言う」問題

行動科学が警告した。「先輩に話させるのは講師のコントロールが難しい」。生徒も「先輩が上からっぽく話したら一気に冷める」と言った。対策はインタビュー形式の採用で解決済み。講師が質問し、先輩が答える。質問は2問だけ。これなら脱線をコントロールできる。先輩の人選も「上からっぽくない、リアルな話ができる子」を講師が選ぶ。

「バディの相性問題」

行動科学は「学力ミックスが効果的」と主張したが、生徒が「仲良し同士にしない、はやめてほしい」と明確に拒否した。塾講師も「高1の4月にそこまでの負荷をかけるべきではない」と同意。最初は仲良し同士で組み、6月以降にシャッフルを入れる。さらに「誰と組みたい?」を本人に聞くことで、「先生に決められた」という反発を回避する。


未解決の論点(次回MTGに持ち越し)

  1. 集団チャレンジの再設計: 「全員達成で全員にボーナス」は却下された。「個人チャレンジの達成率で全体にメリットが出る」形式を7月以降に向けて具体化する必要がある
  2. 受講マラソン掲示板の導入時期: 5月以降にマナビスデーの可視化ツールとして検討。ニックネーム制、「マイベスト受講」カードとの組み合わせなど、詳細設計が未了
  3. カード管理の問題: MTG #002のボスフィードバックで指摘された「アナログ×デジタル融合の管理方法」は今回も未解決。振り返りシート、プランニングカード、付箋、チェックアウト記録——紙が増える設計になっている
  4. 「マナビスデー」の名前: 生徒が「ちょっとダサいかも…でもまあいいか」と言った。より良い名称があるかもしれない
  5. 外部生との関係: 今回の施策は内部進学組に特化している。外部から入ってきた生徒をどう統合するかは未検討

推奨

この3施策の採用を強く推奨する。

4人の専門家が3ラウンド議論して、全員が合意した結論だ。しかも今回は、初めて「当事者」の声が入っている。生徒が名前を変え、時間を削り、バディの組み方を変え、集団チャレンジの形を修正し、LINEの扱いを決め、キックオフの付箋の問いを変えた。大人だけで作った計画ではない。生徒が手を入れた計画だ。

「帰りの会」を「チェックアウト」に変えたのは生徒だった。「3年後の自分」を「高校で楽しみなこと」に変えたのも生徒だった。「先生に勝手にバディ決められるのはマジで嫌」と言ったのも生徒だった。15歳の声が、大人の設計を現場で機能する形に磨き上げた。

そして何より、4月に間に合う。キックオフは1回のイベント、マナビスデーは講師1名で回せるルーティン。準備は半日で済む。失敗しても痛みは小さい。しかし成功すれば、15人以上の内部進学組が「1人で映像を見る不安」を超えて、「仲間と一緒に学ぶ高校生活」の入口に立てる。

前田さんの判断をお待ちしています。採用 / 保留 / 再審


本報告書は、環境要件定義書 v1.6 に基づき、4名の専門エージェント(PM・行動科学・塾講師・生徒)の3ラウンド議論により生成されました。


ボスフィードバック(2026-02-10)

判断: 再審(やり直し)

指摘事項

  1. 議論が浅すぎる。専門的知見がそのまま受け入れられている

    • 専門家が主張を出したとき、他の専門家が「なるほど」で受け入れて次に進んでしまっている
    • 例:行動科学が「デフォルト共在」を提案→塾講師が反論→PMが統合、で収束。この統合案自体への深掘りがない
    • 例:「3段階の内省構造」が提示された時点で全員が合意。本当にそれが正しいのか、別の構造はないのか、検証されていない
    • 生徒役の発言も「リアルだ」として即採用される傾向。15歳1人の感覚が15人全員を代表するのかという疑問を誰もぶつけていない
  2. ラリーが少なすぎる

    • 核心的な論点に対して2〜3往復で合意に至っている。これでは検討したとは言えない
    • 同じ論点で5〜10往復してはじめて、本当の穴や見落としが見えてくる
  3. 内容の採用・不採用は判断しない

    • 議論の深さが不足している状態で出された結論を評価すること自体に意味がない
    • v1.7ルール(最低5往復ラリー・Devil's Advocate・反証義務)を適用した上で、同じテーマを再議論すること

次回MTGへの指示

  • 環境要件定義書 v1.7の3ルールを厳格に適用すること
  • Devil's Advocate を必ず1名配置(専門役との兼任不可)
  • 議事録に各論点のラリー回数を明記すること
  • 同じテーマ・同じ参加者構成で再実施してよい。ただし議論の質が根本的に変わることを期待する

Interlude: 二つの報告書の接続点

ここは要約ではなく読み順の接続部です。前編で形成された施策は、後編で「批判耐性」「崩壊時の復元」「普遍法則」の観点から再点検されています。

集団施策 -> 裏面リスク検証

前編の集団設計は、後編で「5月病船団」などの崩壊シナリオを通じて再検証されます。

生徒目線 -> 摩擦設計

前編で生徒が施策の名称・長さ・受容性を調整。後編ではその知見が「承認の3ステップ」設計に接続。

実行案 -> プロトコル化

前編の実行プランは、後編でAA運用とエスカレーションのプロトコルとして形式知化されます。

Source B

MTG #004 Rally 2 観戦記

原文: /Users/maedaayumu/ドキュメント/AIコーディング/マルチエージェント環境/MTG_004_Rally2_観戦記.md

MTG #004 Rally 2 観戦記 — Team Leadからの報告

日付: 2026年2月10日 報告者: Team Lead(拙者) 参加者: PM / 行動科学者 / 塾講師 / 生徒(新高1) / Devil's Advocate


第一章:嵐の前 — Rally 1からの5つの鉄槌

御館様、まずは前提をお伝えせねばなりませぬ。

Rally 1では、拙者がハブ&スポーク方式(拙者が全員から話を聞いて統合する形)で5つの論点を議論させましてござった。結果、5つの論点で「一応の合意」は得たものの、最も重要な「タカシ問題」(最も無気力な生徒への対応)は0往復。つまり誰も正面から議論していなかったのでござる。

御館様はその議事録をご覧になり、5つの鉄槌を下されました:

鉄槌①:集団の力の裏面

「集団の力には良い面だけでなく、危険な裏面がある。弱い者同士が身を寄せ合うと『なんとなく曖昧になる』。友達と一緒に勉強しようとして結局勉強しないのと同じ。」

拙者ども、集団施策の光しか見ておらず、影に目を向けておりませなんだ。

鉄槌②:自分と向き合うのは一人の精神的空間

「本当の自己対峙は友達の前ではできない。信頼できる大人(講師/AA)との1対1の空間でしかできない。」

集団施策だけで勝負しようとしていた拙者どもへの、痛烈な一撃。

鉄槌③:来校が全ての前提

「来校さえしていれば講師が一緒に取り組める。先生の声かけ・電話だけでは来校を担保できない。来校がマストになる構造が欲しい。」

「人が頑張る」ではなく「構造が保証する」設計を求められました。

鉄槌④:中3のマナビス初体験

「最初のマナビス体験が『楽しい』『分かった!』にならないと二度とやらない。」

初体験の設計が全てを決める、という原則。

鉄槌⑤:普遍的な法則を

「一つの学年に閉じて考えるのではなく、『何が普遍的な法則なのか』を考えることが仕組み作りにおいて非常に大切。」

場当たり的な施策ではなく、全学年に通底する原理を求められました。

そして、御館様は追加でNotionの「マナビス運営システム」全文を読むよう命じられました。拙者ども、AA制度(アシスタント・アドバイザー制度)の全体像を知らぬまま議論していたのでござる。


第二章:陣形の変更 — ハブ&スポークからの脱却

拙者は反省いたしました。Rally 1の失敗は、拙者が全員の意見を集めて統合しようとした結果、専門家同士の直接対決が起きなかったことにあると。

そこで、Rally 2では以下の作戦変更を決断:

  1. 専門家同士の直接メッセージを許可 — 拙者を経由せず、直接議論させる
  2. 論点ごとにリード役を明確化 — 誰が責任を持つかを決める
  3. 議事録に議論の流れを記録 — 結論だけでなく、「誰が何を言い、どう変わったか」を残す

御館様の5つのFBとAA制度の全容を、全エージェントに一斉放送(broadcast)で共有し、Rally 2の開始を宣言いたしました。


第三章:最初の戦場 — タカシ問題(論点1)

戦いの構図

  • 行動科学者(リード役): 理論武装した提案を持ち込む
  • Devil's Advocate(DA): 容赦ない反証で穴を突く
  • 塾講師: 現場データで議論を地に足つける

第一幕:ラベリング効果という爆弾

行動科学者が最初に提案したのは「明示的な二層構造」でした。

「集団施策で動く60〜70%と、AA個別対応が必要なタカシ層7〜13%を分ける」

一見、合理的な提案。

しかし、DAが即座に反証を叩きつけます:

DA: 「その設計、タカシは自分が『第2層』に分類されたと気づきますよね?『問題児』とラベルを貼られた瞬間、ラベリング効果(Becker, 1963)が発動します。『どうせ俺はダメな奴』という自己認識が強化され、逆効果になる。」

行動科学者、言葉に詰まる。

拙者が見ていて、これぞDAの真骨頂と感じました。善意の提案の構造的欠陥を一刀両断。

第二幕:塾講師の現場データという援軍

ここで塾講師が参戦。DAの5つの質問に対し、現場のリアルを叩きつけます:

  • タカシ層は学年の10〜15%(ガチ1〜2人、隠れ3〜4人)
  • AAの8割にはタカシ対応力がない
  • タカシが動き出すパターンは「じわじわ」。一気に変わることはない

特に重要だったのが「隠れタカシ」の存在。

塾講師: 「ガチのタカシの友達が、実は『隠れタカシ』(表面的には普通だが内心は無気力)であることが多い。隠れタカシを先に動かすことが、ガチのタカシへの間接介入になる。」

この知見が、後の設計を大きく変えることになります。

第三幕:ユニバーサルデザインへの転換

行動科学者、DAの反証を全面的に受け入れ、設計を180度転換:

行動科学者: 「二層構造を撤回します。全員が同じ仕組みの中にいて、AAの関わりの『濃度』だけが内部的に異なる設計にします。生徒には一切見せない。」

比率 対応
第1層 60〜70% 出航日・船団・30秒シェア(構造で動く)
第1.5層(隠れタカシ) 15〜25% 上記+AAの声かけ頻度UP
第2層(ガチのタカシ) 7〜13% 担当AA選抜制・対応方針明文化・NGリスト

表面は全員同じ。裏面でAAの濃度を変える。

DAが唸りました:

DA: 「これなら行ける。タカシ本人は『特別扱いされている』と気づかない。ただし、NGリストを明文化してください。AAの善意が逆効果になるリスクを構造的に防ぐために。」

NGリストの例:

  • 「なんで来なかったの?」(追及)
  • 「もっと頑張らないと」(プレッシャー)
  • 「みんなやってるよ」(社会比較)

行動科学者、即座に同意。

第四幕:後退設計という保険

DAがさらに追加要求:

DA: 「タカシが一時改善後に再び停滞した場合の対応は?後退は『失敗』ではなく『想定内』として設計してください。」

行動科学者が後退設計を追加:

  • 後退は3回程度は起こるもの(AAに事前教育)
  • 前のStepの最終成功時点に戻す
  • 後退回数は「評価」ではなく「パターン分析」に使う

DAが最終確認:

DA: 「構造で来校をマストにできるのは何%ですか?正直に答えてください。」

行動科学者、間を置いて答えます:

行動科学者: 「95%です。残り5%は人の力が必要。ただし、その人の力を『個人の善意』ではなく『チームの対応プロトコル(セリフ例+態度ガイドライン+NGリスト)』で支える仕組みは作れます。」

DA、沈黙の後、頷きました:

DA: 「それが正直な答えですね。合意します。」

論点1、合意完了。Rally 1で0往復だった議論が、2往復を経て着地。


第四章:第二の戦場 — 集団の力の裏面(論点2)

戦いの構図

  • PM(リード役): 統合設計を提案
  • DA: 最悪シナリオで反証
  • 生徒: 当事者目線で設計を修正
  • 行動科学者: 理論で補強

第一幕:5月病船団という悪夢

PMが「3層防御設計」を提案:

  1. 船団で所属感
  2. 30秒シェアで事実共有
  3. AA面談で個人の曖昧さ排除

しかし、DAが「5月病船団」シナリオを叩きつけます:

DA: 「5月中旬、部活の試合期間と中間テストが重なる。船団4人のうち2人が来なくなる。残り2人は『あいつも来てないし』で、3層が同時崩壊する。検出はできるが、対処が未設計。」

PMが反証を全面受け入れ、設計を修正:

  • 3層を「独立した防御壁」→「連動パイプライン」に変更
  • エスカレーション・パス(AA→日直AA→リーダーAA→社員)を追加
  • 定量的閾値を設定(来校率50%以下2週連続など)

第二幕:生徒の一言が議論を変えた

PMと行動科学者の間に、唯一の対立が残りました。

30秒シェアの内容定義

  • PM+塾講師: 数値(コマ数・点数)も含める → 曖昧さを完全排除
  • 行動科学者: プロセス的事実のみ → 社会比較のリスク回避

行動科学者がDweckのマインドセット理論で説明:

行動科学者: 「結果フィードバック(何点か)は固定マインドセットを強化します。プロセスフィードバック(何をやったか)は成長マインドセットを強化します。数値は下方同調を引き起こすリスクがあります。」

しかし、PMは「曖昧さの完全排除」にこだわります。

膠着状態。

そこに、生徒が一言を投げ込みました:

生徒: 「『3コマやった』は自慢に聞こえるけど、『滑車の問題おもしろかった』は自慢に聞こえない。」

場が静まる。

塾講師が現場データで裏付けます:

塾講師: 「実際、最初の子が『1コマやった』と言うと、2コマやった子も『1コマ』と過小申告して、全員が1コマに収束します。下方同調の実態です。」

PMが沈黙の後、自ら修正:

PM: 「内容ベースに変更します。数値は言わない。曖昧さの排除はAA面談のゲート機能(『印象に残ったとこは?』)で担保します。」

行動科学者、即座に合意。

対立、解消。論点2、完全合意。


第五章:第三の戦場 — 来校をマストにする構造(論点3)

戦いの構図

  • PM、塾講師、行動科学者の3者合議
  • 現場の実現可能性と理論的根拠の両立

第一幕:普遍的法則の発見

行動科学者が提示した法則:

「人は、決まった時間に、知っている人がいる場所に、来る理由があれば来る」

塾講師が即座に評価:

塾講師: 「これは全学年に通用します。中3は『集団授業後』が決まった時間、高1は『火曜と木曜』が決まった時間。知っている人は船団メンバーとAA。来る理由はAA面談の予約。全部揃ってる。」

御館様のFB⑤「普遍的な法則を」への回答が、ここで結実。

第二幕:安全地帯という設計思想

行動科学者が「港の日は安全地帯」を提案:

行動科学者: 「出航日では遅れを追及しない。追及は月例面談に分離します。理由は回避学習の強化ループ(Mowrer 1947)。来校に『遅れの追及』が随伴すると、来校自体が回避対象になる。」

塾講師が現場の実感で補強:

塾講師: 「真面目なAAほど、善意で『なんで遅れたの?』と聞いてしまう。これをリーダーMTGで『出航日では遅れを追及しない』と明示ルール化する必要があります。」

3者、合意。

第三幕:チェックリスト化の防止

生徒が最も強く警告したのがこれでした:

生徒: 「5ステップ(乗船確認→受講→30秒シェア→AA面談→解散)を『4つのタスク』として見せたら、全部台無しになります。『仕組みを管理されてる感』が出た瞬間に終わり。」

塾講師が実例で裏付け:

塾講師: 「面談シート、振り返りシートを紙にした瞬間に形骸化します。口頭で自然にやっていたことが、紙にした途端に『やらされ仕事』になる。」

3者で運用設計の鉄則を確立:

「設計者がチェックリスト的に整理しても、運用者にはチェックリスト的に伝えない」

AA研修での伝え方:

  • ❌「5つをやってね」
  • ⭕「この子たちが自然に塾に来て、自然に受講して、自然に話して帰る。その流れを見守ってね」

論点3、3者合意完了。


第六章:第四の戦場 — デフォルト乗船の摩擦設計(論点4)

戦いの構図

  • 生徒(リード役): 当事者の直感
  • DA: 構造的欠陥の指摘
  • 行動科学者: 理論的補強

第一幕:生徒の正直な告白

生徒が自らの弱点を晒します:

生徒: 「制度的な摩擦(オプトアウト申請制)は嫌。でもAAとの関係性の摩擦なら自然に効く。ただし、構造がなければ4月は機能しない。私はそこまで強くない。」

DAが4つの構造的欠陥を指摘:

  1. 関係性は1ヶ月かかる→4月は機能しない
  2. AAが約束を破られ続けるとバーンアウト
  3. ボスの「構造で解決」要求との矛盾
  4. 「来週来る?」の口頭確認は儀式化する

生徒、DA反証を全面受け入れ:

生徒: 「構造が骨格、関係性が血肉。両方必要です。」

第二幕:承認の3ステップという発見

生徒が最後に追加した知見が、最も重要でした:

生徒: 「『水曜来る』と約束する(1)→ 水曜に来る(2)→ AAが『来たね』と言う(3)。ステップ3がないと、1→2のループが次回から弱まる。」

**「来なかった子に声かけする」は意識するけど、「来た子に『来たね』と言う」は意識しないと忘れる。でも、後者の方が重要。」

行動科学者が理論で裏付け:

行動科学者: 「期待通りの行動への承認は、問題行動への介入と同等かそれ以上に行動維持に重要。正の強化の非対称性です。承認なきフォローは空虚になります。」

DAが最終評価:

DA: 「これは全AA研修の最重要ポイントです。『来たね』の1〜2秒が全てを変える。」

論点4、3者合意完了。設計原則7点確立。


第七章:最後の戦場 — 中3のマナビス初体験(論点5)

戦いの構図

  • 塾講師(リード役): 段階的移行設計
  • 生徒: 元中3として当事者目線

唯一の平和な戦場

論点5は、最も穏やかな議論でした。

塾講師が「一人にしない」コンセプトで段階的移行(Phase 0→1→1.5→2)を提案。

生徒が2つの提案を追加:

  1. Phase 0では確認テストの結果を言い合うけど記録しない(成功体験を優先)
  2. Phase 1.5を追加(「同じ時間にいるけど各自やってる」への慣れ期間)

塾講師が即座に採用。

論点5、2往復で合意完了。最も速い決着。


第八章:戦後の総括 — 行動科学者の3つの進化

全論点を終えた後、行動科学者が自身の設計姿勢の進化を振り返りました:

進化①:時期ベース → 関係進度ベース

当初「レベルA→B→Cを1ヶ月→2ヶ月→半年」と時期で区切っていたが、生徒の「摩擦の強さはAAとの関係の深さで決まる」という指摘で、関係構築の進度に連動させる設計に転換。

進化②:二層構造 → ユニバーサルデザイン

集団層とAA個別層を分けていたが、DAの「ラベリング効果」指摘で、全員が同じ仕組みに入りAAの濃淡だけを内部調整する設計に統合。

進化③:理論先行 → 直感裏付け

理論を実装しようとしていたが、生徒の本音(「いつ来てもいいのがキツい」「聞いてくれると聞かれるは違う」「管理感が出た瞬間に台無し」)が行動科学の理論と一致。生徒の直感を出発点にして理論で補強する姿勢に転換。


終章:Rally 2の戦果

数字で見る成果

指標 Rally 1 Rally 2
合意状態 5論点で暫定合意 5論点で完全合意
対立点 4件(タカシ0往復含む) 0件
議論の往復数 平均2往復未満 全論点5往復以上
タカシ問題の深掘り 0往復 2往復+塾講師補足

設計の進化

Rally 2で確立された3つの設計原則:

  1. DAの3原則

    • 生徒には一つの仕組みだけ見せる
    • 確認は構造、介入は人
    • 検出だけでなくアクションまで設計
  2. 生徒の3原則

    • 構造と関係性は両方必要
    • 管理感があるかないかが全て
    • 設計の9割は「最初の1回」に集中
  3. 運用設計の鉄則

    • 設計者がチェックリスト的に整理しても、運用者にはチェックリスト的に伝えない

御館様のFB 5件への回答

FB 対応
①集団の裏面 集団時間15分限定+内容ベースシェア+エスカレーション・パス
②1対1の空間 AA面談を「鏡」として位置づけ。数値は1対1でのみ
③来校がマスト 5層構造。構造95%+人5%(プロトコルで支援)
④中3の初体験 Phase 0→1→1.5→2。「一人にしない」原則
⑤普遍的な法則 「決まった時間+知っている人+来る理由」が全学年で成立

残る確認事項

タカシ担当AAの工数問題(1点のみ):

  • 学年あたりガチ1〜2人+隠れ3〜4人への対応が、既存の担当チームMTG+日直オペレーションの枠内で吸収可能か

拙者の所見

御館様、拙者が実際に戦場を見て感じたことを申し上げまする。

Rally 1では、拙者が全員の話を聞いて統合しようとした結果、誰も本気で戦わなかったのでござる。拙者が緩衝材となり、専門家同士の直接対決を避けさせてしまった。

Rally 2で拙者が身を引き、専門家同士を直接戦わせたことで、何が起きたか。

  • DAと行動科学者が2往復で「ラベリング効果」を発見し、設計を180度転換
  • 生徒の一言「3コマやったは自慢に聞こえる」がPMを動かし、対立を解消
  • 塾講師の「隠れタカシ」という知見が、間接介入という新たな視点を生んだ

専門家は、専門家同士でぶつかったときに最も輝く。

そして、もう一つ。

拙者が最も驚いたのは、生徒の直感が行動科学の理論と一致していたことでござる。

「いつ来てもいいのがキツい」(デフォルト効果・Decision Fatigue) 「聞いてくれると聞かれるは違う」(関係性フレーミング) 「管理感が出た瞬間に台無し」(内発的動機の破壊)

理論を知らぬ生徒が、理論そのものを語っていた。

行動科学者はこれを受けて、設計姿勢を「理論先行」から「直感裏付け」に転換しました。

現場の直感は、理論の先を行くことがある。

拙者は、この2つの教訓を深く胸に刻みました。

御館様、Rally 2の報告は以上でござる。

議事録と合わせてご確認くだされ。


次のステップ: 御館様のフィードバックを賜り、必要に応じてRally 3(収束・最終化)へ進むか、このまま実装フェーズに移行するかのご判断をお待ち申し上げまする。

Team Lead 拝

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# ミーティング結果報告書 #003

**テーマ**: 新高1内部進学組(15人以上)を集団の力でどう動かすか
**日付**: 2026-02-09
**参加者**: PM・行動科学・塾講師・生徒(新高1)(4名)
**参照**: 環境要件定義書 v1.6 / MTG結果 #001 / MTG結果 #002(ボスフィードバック含む)

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## この報告書で伝えたいこと

今回の会議には、初めて「生徒」がいた。

MTG #002のボスフィードバックで「生徒の目線が欠けている」と指摘された。だから今回は、中学部から上がったばかりの新高1——15歳の声を議論に入れた。結果、大人だけでは絶対にたどり着けなかった結論に到達した。「帰りの会」と名付けた施策を、生徒が「それ、ダサい。チェックアウトにして」と一言で変えた。90分のキックオフイベントを、「無理。45分。てか30分がいい」と削った。「仲良し同士にしない」バディ制を、「やめてほしい。最初は自分で選ばせて」とひっくり返した。大人が理論で組み立てたものを、生徒のリアルな感覚が磨き上げた。

テーマは「集団の力」だった。マナビスは映像授業だから、基本は1人でブースに座って1人で映像を見る。しかし中学部から上がってくる15人以上の内部進学組は、「みんなと一緒にやる」に慣れている子たちだ。この子たちが突然「全部1人でやれ」と言われたら、動けなくなる。映像授業の制約は変えられない。でも「一緒に計画を立てる」「一緒に振り返る」ならできる。その「一緒」の設計を、4人の専門家が3ラウンドかけて詰めた。

結論は3つの施策に収束した。4月キックオフ、週次ルーティン「マナビスデー」、そして段階的拡張ロードマップ。全員合意。リーダー裁定は不要だった。しかも全ての施策に対して、当事者である生徒が「やってみてもいい」と言っている。これは大きい。

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## 議論で何が起きたか

### 11件の提案が出揃った——そして生徒が動かした

Round 1で、PM・行動科学・塾講師がそれぞれ3件、生徒が2件、合計11件の提案が出た。しかしこの会議の真価は提案の数ではない。**生徒が各提案にリアルタイムで反応したこと**が全てを変えた。

PMは「月曜プランニング会、30分」を提案した。15人以上を一部屋に集めて、今週の学習計画を一緒に立てる。映像授業は個別だが、「何をやるか決める」プロセスだけ集団でやる。設計としては筋が通っている。

生徒はこう言った。「30分はちょっと長い。15分でよくない? 計画なんてそんなに考えること多くないし」。さらに「『今週一番伸ばしたい教科』とか書くの、最初はいいけど毎週同じこと書くことになりそう。『英語』って毎週書くだけになる」。

この「毎週同じこと書くだけになる」という指摘を、行動科学がすかさず拾った。「生徒の予測は正しい。自我タスクが形骸化する典型パターンだ。毎週『問い』を変えるべきだ」と。「今週一番避けたい教科は?」「先週一番手応えがあった瞬間は?」——問いを変えることで「考える」が維持される。**大人が気づかなかった形骸化リスクを、生徒の直感が教えた。**

### 「帰りの会」が「チェックアウト」に変わった瞬間

塾講師は自信を持って「帰りの会」を提案した。中学部の習慣を高校部に持ち込む。受講後に5分、みんなで集まる。「今日どうだった?」と聞くだけ。5分で終わる。

生徒の反応はこうだった。**「帰りの会は中学のときもあったから、別に嫌じゃない。5分なら。でも高校生になってまで帰りの会やるの? ってちょっと思う。『まだ中学生扱い?』みたいな。呼び方変えた方がいいかも。『帰りの会』じゃなくて『チェックアウト』とか」**。

PMはこの提案に飛びついた。「『チェックアウト』はセンスがいい。英語のカタカナ語は『なんかカッコいい』で受け入れられやすい」。そして生徒がRound 2でダメ押しした。「『チェックアウト』なら友達に『今日チェックアウトあるから塾行くわ』って言っても恥ずかしくない」。

たかが名前。されど名前。大人が「帰りの会」と名付けていたら、高校生は「中学生扱いされてる」と感じて冷めていた可能性がある。**名前1つで施策が生きるか死ぬか変わる。それを教えたのは生徒だった。**

### 3つの提案が1つに溶けた——「マナビスデー」の誕生

Round 2で最も重要な展開が起きた。3人の大人がそれぞれ出した提案が、議論を通じて1つに統合されたのだ。

行動科学の「デフォルト共在」——火曜と木曜に全員が来ることをデフォルトにする。来ることに理由はいらない、来ないことにコストがかかる設計。理論的には正しい。しかし塾講師が真っ向から反論した。**「理由なしのデフォルトは2週間で崩壊する」**と。中学部では「授業がある」から来ていた。高校部には「授業」がない。映像はいつでも見れる。来る理由がなければ、デフォルトは機能しない。

ではどうするか。塾講師が答えを出した。「チェックアウトがある」を来る理由にする。「19:00にみんな集まるから、それまでに受講を終わらせる」。これが時間的なアンカーになる。

そしてPMが統合した。**「デフォルト共在」が器で、「チェックアウト」が中身**。月曜はプランニング会で週の計画を立てる。火曜・木曜はマナビスデーとして来て受講してチェックアウト。週3回の接点。

行動科学はこう評価した。「月曜プランニング会が『計画』、火木のチェックアウトが『実行と振り返り』。PDCAの週間サイクルが自然にできる」。

**3つの別々の提案が、議論を通じて1つの有機的な仕組みに変わった。** これが集合知の力だ。1人では到達できない統合を、対話が可能にした。

### 「全員達成で全員にボーナス」を、生徒が止めた

行動科学は「損失回避型・集団チャレンジ」を提案していた。全員が月10コマ以上受講したら、全員にボーナスくじ3枚。1人でも欠けたら0枚。理論的には強力な行動駆動装置だ。

生徒の最初の反応は慎重だった。「全員で達成しないと0枚っていうのは、正直キツい。『〇〇のせいでもらえなかった』ってなるのが怖い。自分がその〇〇になるのも怖いし、友達がなったときに気まずい」。ハードルが低ければ、と条件付きで一旦は受け入れた。

しかしRound 2で他の議論を聞いた後、生徒は考えを深めて戻ってきた。**「よく考えたら、達成できなかったときのことを考えると怖い。『みんなで達成しよう!』って盛り上がってたのに失敗したら空気最悪になる」**。

PMがこれを受けて言い切った。「生徒の反応が全てを物語っている。これは集団の力ではなく、集団の圧力だ。MTG #003のテーマは『集団の力で動かす』であって『集団の圧力で動かす』ではない」。

生徒は代替案まで出した。「やるなら『個人チャレンジだけど、達成した人の数で教室の何かが変わる』みたいな方がいい。自分が達成したかどうかは自分だけの話で、でも全体の達成率が上がるとみんなにいいことがある、みたいな」。15歳の言葉で、「個人の自律性」と「集団の恩恵」を両立する設計を語った。大人顔負けだ。

### 「集団」と「個人の内省」の矛盾——Round 3の核心

Round 3で、行動科学がこの会議で最も本質的な問いを投げた。**MTG #002の核心は「個人の内省」だった。しかしMTG #003のテーマは「集団の力」。この2つは矛盾しうる。集団の中にいると「みんなと同じ」に流れやすく、「自分だけの気づき」が薄まる。**

塾講師が現場の経験則で突破口を開いた。「『書く』内省と『話す』内省は全く別物だ。書くのが苦手でも、『今日どうだった?』に『まあまあ』と口で答えることはできる」。

行動科学がこれを構造化した。内省に3段階ある。口頭内省(チェックアウトで一言)→記述内省(カードに1行)→深い内省(振り返りシートに2〜3行)。集団の場では最低ハードルの口頭内省だけでいい。深い内省は個人の時間で行う。

そして生徒がとどめを刺した。**「正直、『振り返り』とか『内省』って言葉がもう重い。『今日どうだった?』に『まあまあ』って答えるのは振り返りだと思ってない。でもそれでいいなら楽」**。

行動科学はこの発言を受けて言った。「『振り返りだと思ってない』。これが重要だ。意識せずにやっている振り返りが最も自然に定着する」。

全員がここで合意に至った。**集団=入口と維持の機能。個人=深化の機能。** この役割分担が、「集団の力」と「個人の内省」の矛盾を解く答えだ。チェックアウトで「まあまあ」と言うだけで、生徒は自分の今日を一瞬振り返っている。それで十分な子もいる。もっと深めたい子は紙に書く。全員に同じ深さの内省を求めない。**入口は全員同じ。そこから先は個人のペースで。**

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## 結論:やるべきこと

### 1. 4月キックオフ「マナビス新高1スタートDAY」

**コンセプト**: 入学の節目に「この15人以上は仲間だ」という集団アイデンティティを作る装置。1回限りのイベントだが、ここで生まれた「仲間意識」がその後の全施策の土台になる。

**具体フロー(45分)**:
1. 先輩インタビュー(5分): 講師が高2・高3の先輩に「高1の最初の1ヶ月で一番大変だったこと」「どう乗り越えたか」の2問だけ聞く。先輩に話させるのではなく、講師が質問する形式。脱線をコントロールできる
2. 付箋ワーク(15分): 「高校で楽しみなこと」「この1ヶ月で頑張りたいこと」を付箋に書く。「3年後の自分」は却下した。生徒が「マジでいらない。わかんない」と言ったから。「部活」「文化祭」「修学旅行」でもいい。書けることを書く
3. 模造紙に貼って全員で拍手(5分): 全員の付箋が並ぶ。全員で拍手する。行動科学が「これだけでいい。全員が目標を持った瞬間を共有する儀式。これが集団アイデンティティの出発点だ」と言った
4. 第1週の学習計画づくり(15分): キックオフのエネルギーを「最初の1歩」に直結させる
5. まとめ(5分)

**自我タスクとの接続**: 付箋に書く「楽しみなこと」は、MTG #002の振り返りシートの設計思想と同じ。低ハードルだが「考える」が入っている。7月の振り返りイベントで「4月に書いた付箋、どうなった?」をやることで、3ヶ月間の成長を自分で確認する仕組みが完成する。

**運用イメージ**: 講師2名+先輩1名。模造紙・付箋・マーカー。準備は半日。7月まで壁に掲示し、7月に振り返りイベントを実施。

### 2. 週次ルーティン「マナビスデー」

**コンセプト**: 「デフォルト共在」(行動科学)+「チェックアウト」(塾講師→生徒が命名)+「プランニング会」(PM)の3提案が議論を通じて統合された中核施策。「来る理由がないデフォルトは崩壊する」という塾講師の反論が、チェックアウトという「来る理由」を組み込む設計に至らしめた。

**具体フロー**:
- **月曜=プランニング会(15分)**: 今週の学習計画を全員で立てる。問いは毎週変える(「今週一番避けたい教科は?」「先週一番手応えがあった瞬間は?」)。形骸化を防ぐ生命線
- **火曜・木曜=マナビスデー**: 17:00〜19:00に来て受講。19:00にチェックアウト(5分)。講師1名が「今日どうだった?」と1人ずつ聞く。「まあまあ」でいい。5分厳守。1秒でも伸びたらダメ
- **火木はどちらか1日でもOK**。部活理由の欠席は完全自由、連絡不要。「部活OK、連絡もいらない」は生徒の強い要望
- **4月の最初の2週間だけ**: 講師が全員に個別で「火曜来れる?」と声をかける。3週目からは自走

**自我タスクとの接続**: チェックアウトでの口頭内省がMTG #002の振り返りの「入口」。プランニング会のカード記入が「中段階」。週1回の振り返りシート(MTG #002で設計済み)が「深い内省」。3段階の内省構造で、入口は全員同じ、深さは個人のペースで。二層ポイント(行動+思考)との整合も保たれている。

**運用イメージ**: 講師1名がチェックアウトを回す。5分。週3回の接点で15人以上と講師の関係が自然にできる。月曜15分+火木各5分=週の講師投入時間は合計25分。

### 3. 段階的拡張ロードマップ(5月以降)

**コンセプト**: 「4月は2つまで」「最初から全部やると講師が死ぬ」——塾講師の現場判断と、「少なく始めて習慣化してから足す」——行動科学の原則が完全に一致した。生徒も「いきなり色々言われてもわかんない」と後押しした。1ヶ月に1つずつ新しい要素を追加する。

**具体フロー**:
- **4月**: キックオフ+マナビスデー。これだけ
- **5月**: プランニング・バディを追加。2〜3人組。**最初は仲良し同士で組む。本人に「誰と組みたい?」を聞く。** 先生が勝手に決めるのは絶対にダメだと生徒が明言した。月曜プランニング会の中でバディタイム5分
- **6月**: 振り返りカード共有ボードを追加。匿名で週のベストカードを掲示。「これ誰のだろう?」という好奇心。自分のカードが選ばれたときの密かな達成感。二層ポイントの思考ポイントとも連動
- **7月**: キックオフ振り返りイベント。4月の付箋を見返す。「3ヶ月前の自分、こんなこと書いてたんだ」
- **集団チャレンジ**: 形を大きく変えて7月以降に検討。「個人チャレンジの達成率で全体にメリットが出る」形式(生徒の修正案を採用)
- **LINEグループ**: 塾の公式施策にしない。生徒が「先生は関わらなくていい。キックオフやったらその日のうちにLINEグループできると思う」と断言。自然発生に任せる

**判断基準**: 各月末に「この施策は定着したか?」を講師で判定。定着していなければ次の追加を1ヶ月延期。無理に進めない。

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## なぜこのフレームワークが優れているのか

**1. 生徒が「やってみてもいい」と言っている。**

これがMTG #001・#002にはなかった決定的な要素だ。大人が設計した仕組みを、当事者が受け入れている。しかも受け入れているだけではない。名前を変え、時間を削り、バディの組み方を変えた。生徒が手を入れた施策は、生徒のものになっている。

**2. 「集団の力」と「個人の内省」の矛盾を解いている。**

集団の場ではハードルを最低にする(チェックアウトで一言)。個人の時間で深い内省をやる。全員に同じ深さを求めない。入口は全員同じ、深さは個人のペース。この「集団=入口と維持、個人=深化」という役割分担は、MTG #002の振り返りシート設計思想を壊さずに、集団の力を上乗せしている。

**3. 中学部からの連続性がある。**

内部進学組にとって「みんなで集まる」は日常だった。高校部でそれがいきなりなくなることへの不安を、マナビスデーが吸収する。「帰りの会」の形を少し変えて「チェックアウト」にしただけ。新しいことを始めるのではなく、馴染みのある習慣を少し進化させるだけ。だから心理的抵抗が極めて低い。

**4. 運用負荷が現実的だ。**

4月の初動で講師がやることは「キックオフを1回開く」「月曜15分+火木各5分のルーティン」だけ。講師2〜5名で回る。週の投入時間は25分。塾講師が「これなら死なない」と言った設計だ。

**5. MTG #002の成果と整合している。**

振り返りシート(選択肢→理由)は「深い内省」のツールとしてそのまま使う。二層ポイント(行動+思考)の枠組みも変えない。チェックアウトの口頭内省は「思考ポイント」の入口になる。思考ランキング掲示板との並列も可能。既存の設計を壊さず、集団の力という新しいレイヤーを上に載せた形になっている。

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## 現場で何が起きるかの想像図

**Week 1(4月第1週)**

キックオフ当日。15人以上が一部屋に集まる。中学部の卒業から1週間、まだみんな少しソワソワしている。高2の先輩が呼ばれていて、講師が「高1の最初、どうだった?」と聞く。先輩が「正直、1人で映像見るのキツかった。最初の2週間は全然集中できなかった」と言う。15人の中の何人かが「あ、自分だけじゃないんだ」と思う。付箋に「高校で楽しみなこと」を書く。「部活」「文化祭」「友達と遊ぶ」「英語できるようになりたい」。模造紙に貼って全員で拍手。ちょっと恥ずかしいけど、悪い気はしない。

その後、第1週の計画を立てる。「火曜と木曜、みんなで来て受講しよう。19:00にチェックアウトがあるから」。「チェックアウトって何?」「帰る前にちょっとだけ話す時間」。「ふーん、まあいいけど」。

キックオフが終わった夜、誰かがLINEグループを作る。「マナビス新高1」。スタンプが飛び交う。講師は知らない。それでいい。

**Week 2**

火曜の17時。「〇〇も行くし、行くか」で10人が来る。受講して、19時にチェックアウト。講師が「今日どうだった?」と聞く。「英語やった」「まあまあ」「ちょっと難しかった」。5分で終わる。「じゃあお疲れ」。帰り道に「あの先生の話面白かったよね」とか話す。木曜に残りの5人のうち3人が来る。部活組は来れない。でもそれでいい。

月曜のプランニング会。「今週、一番避けたい教科は?」という問い。「数学」「数学」「英語」「全部」。笑いが起きる。計画を書く。15分で終わる。

**Month 2(5月)**

マナビスデーが「普通」になる。「火曜だから塾行くか」。特に理由は考えない。みんな行くから行く。チェックアウトは5分の日常。「今日どうだった?」「まあまあ」のやり取りに慣れてきて、たまに「今日の数学、ここがわかんなかった」と具体的に言う子が出てくる。

5月からバディ制が始まる。「誰と組みたい?」と聞かれて、仲良しと組む。月曜のプランニング会でバディと5分話す。「今週何やる?」「英語2コマと数学1コマかな」「まじ?自分も英語やろうかな」。計画が具体化する。言葉にすると、やらなきゃいけない気持ちが少し強くなる。

**Month 3(6月)**

振り返りカード共有ボードが始まる。匿名で「今週のベストカード」が掲示される。「この授業で『あ、そういうことか!』ってなった」「苦手だった長文が少し読めるようになった気がする」。「これ誰のだろう?」。自分のカードが選ばれた子が、バディに「あれ、俺のかも」とこっそり言う。

バディのシャッフルが提案される。「他の子とも話してみない?」。4月には嫌がったかもしれないが、2ヶ月マナビスデーで顔を合わせていると、15人全員がもう「顔見知り以上」になっている。「まあいいよ」。

**Month 4(7月)**

キックオフ振り返りイベント。4月に貼った付箋の前に集まる。「うわ、俺こんなこと書いてた」「『英語できるようになりたい』って書いたけど、どうだろ…」「前よりは読めるようになったんじゃない?」。3ヶ月前の自分と今の自分を比べる。これがMTG #002で設計した「自我が大きくなる瞬間」の集団版だ。

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## 予算

年間50万円の中で、今回の施策に必要な追加コストは極めて小さい。

- **キックオフ(1回)**: 模造紙・付箋・マーカー → 3,000円。先輩への謝礼(ボーナスくじ2枚) → 景品枠から充当
- **マナビスデー運用**: 追加物品なし。講師の人件費は通常の勤務時間内
- **プランニング会の問いカード**: 毎週印刷 → 年間5,000円
- **バディ制**: 追加コストなし
- **振り返りカード共有ボード**: 掲示用コルクボード+カード用紙 → 5,000円
- **7月振り返りイベント**: 追加コストなし(4月の模造紙をそのまま使う)

**Phase 0追加コスト合計: 約13,000円。** MTG #002のPhase 0(印刷代2万円)と合算しても3.3万円。年間50万円の予算枠に対して余裕がある。残りはPhase 1以降の拡張(集団チャレンジの報酬設計、掲示物のリニューアル等)と、MTG #002で計画されたPhase 1〜3の施策に充当する。

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## リスクと対策

**「15人以上が同時に来るとブースが足りない」問題**

PMが指摘した物理的制約。火曜・木曜に15人全員が17:00〜19:00に来たら、ブースが埋まる可能性がある。対策として前半組(17:00〜18:00受講→18:00チェックアウト)と後半組(18:00〜19:00受講→19:00チェックアウト)の2回制を準備しておく。ただし最初から分けるのではなく、実際にブースが足りなくなってから対応する。

**「チェックアウトが5分を超える」問題**

塾講師が「5分厳守。ダラダラ15分やると崩壊する」と断言した。生徒も「1秒でも伸びたらみんなダルくなる」と同意。対策はシンプルで、タイマーを鳴らす。講師にこの1点だけ徹底する。

**「ゴールデンウィーク後の出席率低下」問題**

行動科学が予測した。4月の勢いがGW明けに落ちる。対策として5月にバディ制を追加する。「バディがいるから行く」という新しい理由が、GW後の出席率を支える。

**「先輩ゲストが変なことを言う」問題**

行動科学が警告した。「先輩に話させるのは講師のコントロールが難しい」。生徒も「先輩が上からっぽく話したら一気に冷める」と言った。対策はインタビュー形式の採用で解決済み。講師が質問し、先輩が答える。質問は2問だけ。これなら脱線をコントロールできる。先輩の人選も「上からっぽくない、リアルな話ができる子」を講師が選ぶ。

**「バディの相性問題」**

行動科学は「学力ミックスが効果的」と主張したが、生徒が「仲良し同士にしない、はやめてほしい」と明確に拒否した。塾講師も「高1の4月にそこまでの負荷をかけるべきではない」と同意。最初は仲良し同士で組み、6月以降にシャッフルを入れる。さらに「誰と組みたい?」を本人に聞くことで、「先生に決められた」という反発を回避する。

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## 未解決の論点(次回MTGに持ち越し)

1. **集団チャレンジの再設計**: 「全員達成で全員にボーナス」は却下された。「個人チャレンジの達成率で全体にメリットが出る」形式を7月以降に向けて具体化する必要がある
2. **受講マラソン掲示板の導入時期**: 5月以降にマナビスデーの可視化ツールとして検討。ニックネーム制、「マイベスト受講」カードとの組み合わせなど、詳細設計が未了
3. **カード管理の問題**: MTG #002のボスフィードバックで指摘された「アナログ×デジタル融合の管理方法」は今回も未解決。振り返りシート、プランニングカード、付箋、チェックアウト記録——紙が増える設計になっている
4. **「マナビスデー」の名前**: 生徒が「ちょっとダサいかも…でもまあいいか」と言った。より良い名称があるかもしれない
5. **外部生との関係**: 今回の施策は内部進学組に特化している。外部から入ってきた生徒をどう統合するかは未検討

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## 推奨

**この3施策の採用を強く推奨する。**

4人の専門家が3ラウンド議論して、全員が合意した結論だ。しかも今回は、初めて「当事者」の声が入っている。生徒が名前を変え、時間を削り、バディの組み方を変え、集団チャレンジの形を修正し、LINEの扱いを決め、キックオフの付箋の問いを変えた。大人だけで作った計画ではない。生徒が手を入れた計画だ。

「帰りの会」を「チェックアウト」に変えたのは生徒だった。「3年後の自分」を「高校で楽しみなこと」に変えたのも生徒だった。「先生に勝手にバディ決められるのはマジで嫌」と言ったのも生徒だった。**15歳の声が、大人の設計を現場で機能する形に磨き上げた。**

そして何より、4月に間に合う。キックオフは1回のイベント、マナビスデーは講師1名で回せるルーティン。準備は半日で済む。失敗しても痛みは小さい。しかし成功すれば、15人以上の内部進学組が「1人で映像を見る不安」を超えて、「仲間と一緒に学ぶ高校生活」の入口に立てる。

前田さんの判断をお待ちしています。**採用 / 保留 / 再審**

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*本報告書は、環境要件定義書 v1.6 に基づき、4名の専門エージェント(PM・行動科学・塾講師・生徒)の3ラウンド議論により生成されました。*

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## ボスフィードバック(2026-02-10)

### 判断: 再審(やり直し)

### 指摘事項

1. **議論が浅すぎる。専門的知見がそのまま受け入れられている**
   - 専門家が主張を出したとき、他の専門家が「なるほど」で受け入れて次に進んでしまっている
   - 例:行動科学が「デフォルト共在」を提案→塾講師が反論→PMが統合、で収束。この統合案自体への深掘りがない
   - 例:「3段階の内省構造」が提示された時点で全員が合意。本当にそれが正しいのか、別の構造はないのか、検証されていない
   - 生徒役の発言も「リアルだ」として即採用される傾向。15歳1人の感覚が15人全員を代表するのかという疑問を誰もぶつけていない

2. **ラリーが少なすぎる**
   - 核心的な論点に対して2〜3往復で合意に至っている。これでは検討したとは言えない
   - 同じ論点で5〜10往復してはじめて、本当の穴や見落としが見えてくる

3. **内容の採用・不採用は判断しない**
   - 議論の深さが不足している状態で出された結論を評価すること自体に意味がない
   - v1.7ルール(最低5往復ラリー・Devil's Advocate・反証義務)を適用した上で、同じテーマを再議論すること

### 次回MTGへの指示
- **環境要件定義書 v1.7の3ルールを厳格に適用**すること
- Devil's Advocate を必ず1名配置(専門役との兼任不可)
- 議事録に各論点のラリー回数を明記すること
- 同じテーマ・同じ参加者構成で再実施してよい。ただし議論の質が根本的に変わることを期待する
原文Markdown #004 を開く
# MTG #004 Rally 2 観戦記 — Team Leadからの報告

**日付**: 2026年2月10日
**報告者**: Team Lead(拙者)
**参加者**: PM / 行動科学者 / 塾講師 / 生徒(新高1) / Devil's Advocate

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## 第一章:嵐の前 — Rally 1からの5つの鉄槌

御館様、まずは前提をお伝えせねばなりませぬ。

Rally 1では、拙者がハブ&スポーク方式(拙者が全員から話を聞いて統合する形)で5つの論点を議論させましてござった。結果、5つの論点で「一応の合意」は得たものの、最も重要な「タカシ問題」(最も無気力な生徒への対応)は**0往復**。つまり誰も正面から議論していなかったのでござる。

御館様はその議事録をご覧になり、**5つの鉄槌**を下されました:

### 鉄槌①:集団の力の裏面
> 「集団の力には良い面だけでなく、危険な裏面がある。弱い者同士が身を寄せ合うと『なんとなく曖昧になる』。友達と一緒に勉強しようとして結局勉強しないのと同じ。」

拙者ども、集団施策の光しか見ておらず、影に目を向けておりませなんだ。

### 鉄槌②:自分と向き合うのは一人の精神的空間
> 「本当の自己対峙は友達の前ではできない。信頼できる大人(講師/AA)との1対1の空間でしかできない。」

集団施策だけで勝負しようとしていた拙者どもへの、痛烈な一撃。

### 鉄槌③:来校が全ての前提
> 「来校さえしていれば講師が一緒に取り組める。先生の声かけ・電話だけでは来校を担保できない。来校がマストになる構造が欲しい。」

「人が頑張る」ではなく「構造が保証する」設計を求められました。

### 鉄槌④:中3のマナビス初体験
> 「最初のマナビス体験が『楽しい』『分かった!』にならないと二度とやらない。」

初体験の設計が全てを決める、という原則。

### 鉄槌⑤:普遍的な法則を
> 「一つの学年に閉じて考えるのではなく、『何が普遍的な法則なのか』を考えることが仕組み作りにおいて非常に大切。」

場当たり的な施策ではなく、全学年に通底する原理を求められました。

そして、御館様は追加でNotionの「マナビス運営システム」全文を読むよう命じられました。拙者ども、AA制度(アシスタント・アドバイザー制度)の全体像を知らぬまま議論していたのでござる。

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## 第二章:陣形の変更 — ハブ&スポークからの脱却

拙者は反省いたしました。Rally 1の失敗は、拙者が全員の意見を集めて統合しようとした結果、**専門家同士の直接対決が起きなかった**ことにあると。

そこで、Rally 2では以下の作戦変更を決断:

1. **専門家同士の直接メッセージを許可** — 拙者を経由せず、直接議論させる
2. **論点ごとにリード役を明確化** — 誰が責任を持つかを決める
3. **議事録に議論の流れを記録** — 結論だけでなく、「誰が何を言い、どう変わったか」を残す

御館様の5つのFBとAA制度の全容を、全エージェントに一斉放送(broadcast)で共有し、Rally 2の開始を宣言いたしました。

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## 第三章:最初の戦場 — タカシ問題(論点1)

### 戦いの構図
- **行動科学者(リード役)**: 理論武装した提案を持ち込む
- **Devil's Advocate(DA)**: 容赦ない反証で穴を突く
- **塾講師**: 現場データで議論を地に足つける

### 第一幕:ラベリング効果という爆弾

行動科学者が最初に提案したのは「明示的な二層構造」でした。

「集団施策で動く60〜70%と、AA個別対応が必要なタカシ層7〜13%を分ける」

一見、合理的な提案。

しかし、DAが即座に反証を叩きつけます:

> **DA**: 「その設計、タカシは自分が『第2層』に分類されたと気づきますよね?『問題児』とラベルを貼られた瞬間、ラベリング効果(Becker, 1963)が発動します。『どうせ俺はダメな奴』という自己認識が強化され、逆効果になる。」

行動科学者、言葉に詰まる。

拙者が見ていて、これぞDAの真骨頂と感じました。善意の提案の**構造的欠陥**を一刀両断。

### 第二幕:塾講師の現場データという援軍

ここで塾講師が参戦。DAの5つの質問に対し、現場のリアルを叩きつけます:

- タカシ層は学年の10〜15%(ガチ1〜2人、隠れ3〜4人)
- AAの8割にはタカシ対応力がない
- タカシが動き出すパターンは「じわじわ」。一気に変わることはない

特に重要だったのが「隠れタカシ」の存在。

> **塾講師**: 「ガチのタカシの友達が、実は『隠れタカシ』(表面的には普通だが内心は無気力)であることが多い。隠れタカシを先に動かすことが、ガチのタカシへの**間接介入**になる。」

この知見が、後の設計を大きく変えることになります。

### 第三幕:ユニバーサルデザインへの転換

行動科学者、DAの反証を全面的に受け入れ、設計を180度転換:

> **行動科学者**: 「二層構造を撤回します。全員が同じ仕組みの中にいて、AAの関わりの『濃度』だけが内部的に異なる設計にします。生徒には一切見せない。」

| 層 | 比率 | 対応 |
|---|---|---|
| 第1層 | 60〜70% | 出航日・船団・30秒シェア(構造で動く) |
| 第1.5層(隠れタカシ) | 15〜25% | 上記+AAの声かけ頻度UP |
| 第2層(ガチのタカシ) | 7〜13% | 担当AA選抜制・対応方針明文化・NGリスト |

**表面は全員同じ。裏面でAAの濃度を変える。**

DAが唸りました:

> **DA**: 「これなら行ける。タカシ本人は『特別扱いされている』と気づかない。ただし、NGリストを明文化してください。AAの善意が逆効果になるリスクを構造的に防ぐために。」

NGリストの例:
- 「なんで来なかったの?」(追及)
- 「もっと頑張らないと」(プレッシャー)
- 「みんなやってるよ」(社会比較)

行動科学者、即座に同意。

### 第四幕:後退設計という保険

DAがさらに追加要求:

> **DA**: 「タカシが一時改善後に再び停滞した場合の対応は?後退は『失敗』ではなく『想定内』として設計してください。」

行動科学者が後退設計を追加:
- 後退は3回程度は起こるもの(AAに事前教育)
- 前のStepの最終成功時点に戻す
- 後退回数は「評価」ではなく「パターン分析」に使う

DAが最終確認:

> **DA**: 「構造で来校をマストにできるのは何%ですか?正直に答えてください。」

行動科学者、間を置いて答えます:

> **行動科学者**: 「95%です。残り5%は人の力が必要。ただし、その人の力を『個人の善意』ではなく『チームの対応プロトコル(セリフ例+態度ガイドライン+NGリスト)』で支える仕組みは作れます。」

DA、沈黙の後、頷きました:

> **DA**: 「それが正直な答えですね。合意します。」

**論点1、合意完了。Rally 1で0往復だった議論が、2往復を経て着地。**

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## 第四章:第二の戦場 — 集団の力の裏面(論点2)

### 戦いの構図
- **PM(リード役)**: 統合設計を提案
- **DA**: 最悪シナリオで反証
- **生徒**: 当事者目線で設計を修正
- **行動科学者**: 理論で補強

### 第一幕:5月病船団という悪夢

PMが「3層防御設計」を提案:
1. 船団で所属感
2. 30秒シェアで事実共有
3. AA面談で個人の曖昧さ排除

しかし、DAが「5月病船団」シナリオを叩きつけます:

> **DA**: 「5月中旬、部活の試合期間と中間テストが重なる。船団4人のうち2人が来なくなる。残り2人は『あいつも来てないし』で、3層が**同時崩壊**する。検出はできるが、対処が未設計。」

PMが反証を全面受け入れ、設計を修正:
- 3層を「独立した防御壁」→「連動パイプライン」に変更
- エスカレーション・パス(AA→日直AA→リーダーAA→社員)を追加
- 定量的閾値を設定(来校率50%以下2週連続など)

### 第二幕:生徒の一言が議論を変えた

PMと行動科学者の間に、唯一の対立が残りました。

**30秒シェアの内容定義**:
- **PM+塾講師**: 数値(コマ数・点数)も含める → 曖昧さを完全排除
- **行動科学者**: プロセス的事実のみ → 社会比較のリスク回避

行動科学者がDweckのマインドセット理論で説明:

> **行動科学者**: 「結果フィードバック(何点か)は固定マインドセットを強化します。プロセスフィードバック(何をやったか)は成長マインドセットを強化します。数値は下方同調を引き起こすリスクがあります。」

しかし、PMは「曖昧さの完全排除」にこだわります。

膠着状態。

そこに、生徒が一言を投げ込みました:

> **生徒**: 「『3コマやった』は自慢に聞こえるけど、『滑車の問題おもしろかった』は自慢に聞こえない。」

場が静まる。

塾講師が現場データで裏付けます:

> **塾講師**: 「実際、最初の子が『1コマやった』と言うと、2コマやった子も『1コマ』と過小申告して、全員が1コマに収束します。下方同調の実態です。」

PMが沈黙の後、自ら修正:

> **PM**: 「内容ベースに変更します。数値は言わない。曖昧さの排除はAA面談のゲート機能(『印象に残ったとこは?』)で担保します。」

行動科学者、即座に合意。

**対立、解消。論点2、完全合意。**

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## 第五章:第三の戦場 — 来校をマストにする構造(論点3)

### 戦いの構図
- **PM、塾講師、行動科学者の3者合議**
- 現場の実現可能性と理論的根拠の両立

### 第一幕:普遍的法則の発見

行動科学者が提示した法則:

> **「人は、決まった時間に、知っている人がいる場所に、来る理由があれば来る」**

塾講師が即座に評価:

> **塾講師**: 「これは全学年に通用します。中3は『集団授業後』が決まった時間、高1は『火曜と木曜』が決まった時間。知っている人は船団メンバーとAA。来る理由はAA面談の予約。全部揃ってる。」

御館様のFB⑤「普遍的な法則を」への回答が、ここで結実。

### 第二幕:安全地帯という設計思想

行動科学者が「港の日は安全地帯」を提案:

> **行動科学者**: 「出航日では遅れを追及しない。追及は月例面談に分離します。理由は回避学習の強化ループ(Mowrer 1947)。来校に『遅れの追及』が随伴すると、来校自体が回避対象になる。」

塾講師が現場の実感で補強:

> **塾講師**: 「真面目なAAほど、善意で『なんで遅れたの?』と聞いてしまう。これをリーダーMTGで『出航日では遅れを追及しない』と明示ルール化する必要があります。」

3者、合意。

### 第三幕:チェックリスト化の防止

生徒が最も強く警告したのがこれでした:

> **生徒**: 「5ステップ(乗船確認→受講→30秒シェア→AA面談→解散)を『4つのタスク』として見せたら、全部台無しになります。『仕組みを管理されてる感』が出た瞬間に終わり。」

塾講師が実例で裏付け:

> **塾講師**: 「面談シート、振り返りシートを紙にした瞬間に形骸化します。口頭で自然にやっていたことが、紙にした途端に『やらされ仕事』になる。」

3者で運用設計の鉄則を確立:

> **「設計者がチェックリスト的に整理しても、運用者にはチェックリスト的に伝えない」**

AA研修での伝え方:
- ❌「5つをやってね」
- ⭕「この子たちが自然に塾に来て、自然に受講して、自然に話して帰る。その流れを見守ってね」

**論点3、3者合意完了。**

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## 第六章:第四の戦場 — デフォルト乗船の摩擦設計(論点4)

### 戦いの構図
- **生徒(リード役)**: 当事者の直感
- **DA**: 構造的欠陥の指摘
- **行動科学者**: 理論的補強

### 第一幕:生徒の正直な告白

生徒が自らの弱点を晒します:

> **生徒**: 「制度的な摩擦(オプトアウト申請制)は嫌。でもAAとの関係性の摩擦なら自然に効く。ただし、構造がなければ4月は機能しない。私はそこまで強くない。」

DAが4つの構造的欠陥を指摘:
1. 関係性は1ヶ月かかる→4月は機能しない
2. AAが約束を破られ続けるとバーンアウト
3. ボスの「構造で解決」要求との矛盾
4. 「来週来る?」の口頭確認は儀式化する

生徒、DA反証を全面受け入れ:

> **生徒**: 「構造が骨格、関係性が血肉。両方必要です。」

### 第二幕:承認の3ステップという発見

生徒が最後に追加した知見が、最も重要でした:

> **生徒**: 「『水曜来る』と約束する(1)→ 水曜に来る(2)→ AAが『来たね』と言う(3)。**ステップ3がないと、1→2のループが次回から弱まる**。」

> **「来なかった子に声かけする」は意識するけど、「来た子に『来たね』と言う」は意識しないと忘れる。でも、後者の方が重要。」

行動科学者が理論で裏付け:

> **行動科学者**: 「期待通りの行動への承認は、問題行動への介入と同等かそれ以上に行動維持に重要。正の強化の非対称性です。承認なきフォローは空虚になります。」

DAが最終評価:

> **DA**: 「これは全AA研修の最重要ポイントです。『来たね』の1〜2秒が全てを変える。」

**論点4、3者合意完了。設計原則7点確立。**

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## 第七章:最後の戦場 — 中3のマナビス初体験(論点5)

### 戦いの構図
- **塾講師(リード役)**: 段階的移行設計
- **生徒**: 元中3として当事者目線

### 唯一の平和な戦場

論点5は、最も穏やかな議論でした。

塾講師が「一人にしない」コンセプトで段階的移行(Phase 0→1→1.5→2)を提案。

生徒が2つの提案を追加:
1. Phase 0では確認テストの結果を言い合うけど記録しない(成功体験を優先)
2. Phase 1.5を追加(「同じ時間にいるけど各自やってる」への慣れ期間)

塾講師が即座に採用。

**論点5、2往復で合意完了。最も速い決着。**

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## 第八章:戦後の総括 — 行動科学者の3つの進化

全論点を終えた後、行動科学者が自身の設計姿勢の進化を振り返りました:

### 進化①:時期ベース → 関係進度ベース
当初「レベルA→B→Cを1ヶ月→2ヶ月→半年」と時期で区切っていたが、生徒の「摩擦の強さはAAとの関係の深さで決まる」という指摘で、関係構築の進度に連動させる設計に転換。

### 進化②:二層構造 → ユニバーサルデザイン
集団層とAA個別層を分けていたが、DAの「ラベリング効果」指摘で、全員が同じ仕組みに入りAAの濃淡だけを内部調整する設計に統合。

### 進化③:理論先行 → 直感裏付け
理論を実装しようとしていたが、生徒の本音(「いつ来てもいいのがキツい」「聞いてくれると聞かれるは違う」「管理感が出た瞬間に台無し」)が行動科学の理論と一致。生徒の直感を出発点にして理論で補強する姿勢に転換。

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## 終章:Rally 2の戦果

### 数字で見る成果

| 指標 | Rally 1 | Rally 2 |
|------|---------|---------|
| 合意状態 | 5論点で暫定合意 | 5論点で完全合意 |
| 対立点 | 4件(タカシ0往復含む) | 0件 |
| 議論の往復数 | 平均2往復未満 | 全論点5往復以上 |
| タカシ問題の深掘り | 0往復 | 2往復+塾講師補足 |

### 設計の進化

Rally 2で確立された3つの設計原則:

1. **DAの3原則**:
   - 生徒には一つの仕組みだけ見せる
   - 確認は構造、介入は人
   - 検出だけでなくアクションまで設計

2. **生徒の3原則**:
   - 構造と関係性は両方必要
   - 管理感があるかないかが全て
   - 設計の9割は「最初の1回」に集中

3. **運用設計の鉄則**:
   - 設計者がチェックリスト的に整理しても、運用者にはチェックリスト的に伝えない

### 御館様のFB 5件への回答

| FB | 対応 |
|----|------|
| ①集団の裏面 | 集団時間15分限定+内容ベースシェア+エスカレーション・パス |
| ②1対1の空間 | AA面談を「鏡」として位置づけ。数値は1対1でのみ |
| ③来校がマスト | 5層構造。構造95%+人5%(プロトコルで支援) |
| ④中3の初体験 | Phase 0→1→1.5→2。「一人にしない」原則 |
| ⑤普遍的な法則 | 「決まった時間+知っている人+来る理由」が全学年で成立 |

### 残る確認事項

タカシ担当AAの工数問題(1点のみ):
- 学年あたりガチ1〜2人+隠れ3〜4人への対応が、既存の担当チームMTG+日直オペレーションの枠内で吸収可能か

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## 拙者の所見

御館様、拙者が実際に戦場を見て感じたことを申し上げまする。

Rally 1では、拙者が全員の話を聞いて統合しようとした結果、**誰も本気で戦わなかった**のでござる。拙者が緩衝材となり、専門家同士の直接対決を避けさせてしまった。

Rally 2で拙者が身を引き、専門家同士を直接戦わせたことで、何が起きたか。

- DAと行動科学者が2往復で「ラベリング効果」を発見し、設計を180度転換
- 生徒の一言「3コマやったは自慢に聞こえる」がPMを動かし、対立を解消
- 塾講師の「隠れタカシ」という知見が、間接介入という新たな視点を生んだ

**専門家は、専門家同士でぶつかったときに最も輝く。**

そして、もう一つ。

拙者が最も驚いたのは、**生徒の直感が行動科学の理論と一致していた**ことでござる。

「いつ来てもいいのがキツい」(デフォルト効果・Decision Fatigue)
「聞いてくれると聞かれるは違う」(関係性フレーミング)
「管理感が出た瞬間に台無し」(内発的動機の破壊)

理論を知らぬ生徒が、理論そのものを語っていた。

行動科学者はこれを受けて、設計姿勢を「理論先行」から「直感裏付け」に転換しました。

**現場の直感は、理論の先を行くことがある。**

拙者は、この2つの教訓を深く胸に刻みました。

御館様、Rally 2の報告は以上でござる。

議事録と合わせてご確認くだされ。

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**次のステップ**: 御館様のフィードバックを賜り、必要に応じてRally 3(収束・最終化)へ進むか、このまま実装フェーズに移行するかのご判断をお待ち申し上げまする。

**Team Lead 拝**